LAで見た!初日前日の「スター・ウォーズ、エピソード3/シスの復讐」狂想曲
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2月22日に亡くなったイ・ウンジュの美しさが妖しく揺れる遺作
たった24歳で幕を閉じたイ・ウンジュの才能が改めて惜しまれます。
本作で情熱的なジャズシンガー、カヒに扮した彼女はアンニュイな歌も聞かせ、声といい雰囲気といい、とても魅力的!。ストイックな性格が危なさも感じさせるカヒは刑事ギフンの愛人。彼の訪れをひたすら部屋で待っている。そのギフンはといえば、清楚な妻との間にまもなく子どもが生まれる予定。しかも今、担当している殺人事件の被害者の妻の魅力にも惑わされている。
水中で足をとられる海藻のように、ギフンにゆらめき、まつわりつく女たち。だが、物語が進むにつれ、女たちの秘密が暴かれ、カヒの狂気的な愛が、傲慢な男の運命に影を落としていきます…。
ギフン役で新境地を拓いたハン・ソッキュの熱演が、男女の生々しさを浮き彫りにする官能的サスペンス。
衝撃のラストがイ・ウンジュの最期と重なって哀しい。
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人の心がこれほどまでに震えるのでしょうか?。見終わった後、立ち上がれないくらい打ちのめされ、胸の奥を絞るように涙が出てきて止まらない。本年度のアカデミー賞で他を圧するに充分過ぎるほど価値ある珠玉の名編です。
原作は、かつてボクサーの応急処置にあたるカットマンをしていたF・X・トゥールの短編集「Rope Burns」の一作。これに、ひとつひとつ深い意味を持つセリフを加え、魂を揺さぶる脚本を作り上げました。
メガホンを取ったのは、監督作25本目の本作で2度目のオスカーを手にしたクリント・イーストウッド。フラッシュバックを使わない彼の手法が、今回ほど生かされた作品はありません。独特の粘りのある演出ときめ細かい人物描写が重みのある感動へとつながり、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた苦悩と悲しみの演技が重厚な輝きを与えます。
一方、「ボーイズ・ドント・クライ」に続き2度目のアカデミー賞主演女優賞に輝いたヒラリー・スワンクは、31歳の女性ボクサー、マギーを演じるため、一日数時間のウエイトトレーニングを数ヶ月続けて筋肉のあるボクサー体型を作り、それと平行して3ヶ月間、ボクサーになりきるためにトレーニング。過酷な特訓の末、全編吹き替えなしでボクシング・シーンを撮影しました。トレーラー暮らしだったスワンクの幼い頃の生活がマギーのキャラクターと重なったようで、現実から抜け出そうともがく姿を渾身の演技で見せています。
渋い味わいで映画を締めるモーガン・フリーマンは片目を失った元ボクサー役。4度目のノミネートで念願のオスカー受賞を果たしました。
シンプルなストーリーを最高峰の映画にしたのは、この3人の見事なアンサンブル。しかし、この映画はこれ以上何の情報も持たないままご覧になることをお勧めします。
これは決して女性版ロッキーではありません。重い十字架を背負った者たちのラブストーリーです。そして、ご覧になった方の心に永遠に残り続ける作品です。
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ニコール・キッドマン&ショーン・ペン、2大オスカー俳優初共演作は政治スリラー。
20年ほど前、NYの国連本部を見学しました。無機質で張り詰めた空気の中、この場所で国際平和と安全維持の会議が行われるのかと感慨深い思いをした記憶があります。最近では、日本の常任理事国入りや、さまざまな疑惑で注目を浴びている国連ですが、今まで映画のカメラがNY本部に入ったことはありません。あのヒッチコックでさえ、「北北西に進路を取れ」で撮影許可が下りず、涙を飲んだそうです。
ところが、そんな国連の厚い壁をこの作品は破ったのです。「コンドル」「スクープ/悪意の不在」「ザ・ファーム/法律事務所」などの社会派ドラマを世に放ってきたシドニー・ポラック監督が、国連本部でのロケを実現させようとアナン事務総長に直談判。安全保障理事会の許可が取れればいいという条件つきで撮影が許されました。5ヶ月に及ぶロケは見事なカメラワークでほとんどの場所にアクセス。4月19日のNYでの試写会に出席したアナン事務総長は
「国連の不正疑惑が取りざたされている今こそ、説明が必要な時。本作の公開は絶好のタイミング」とコメントしています。
シルヴィア(キッドマン)は、アフリカ、マトボ共和国のクー語の国連通訳。ある夜彼女は、「先生は生きてここを出られない」というクー語の会話を耳にします。彼女の通報から、マトボ大統領の暗殺計画と察したシークレット・サービスのケラー(ペン)は、シルヴィアの周辺を捜査し始めますが…。
演技力に定評のあるキッドマンとペンのセリフの応酬は本当に見事。二人が黙って向かい合っているだけでも緊迫感が伝わります。しかもキッドマンの知的な美しさが神秘性を増幅させ、彼女に疑惑さえ抱かせます。言葉による外交を信じるシルヴィアと、すべてを行動のみで判断するケラーは、同じ平和を望んでいても川の対岸にいるようでした。
主演二人に加え、監督のポラック、プロデューサーのアンソニー・ミンゲラなど、オスカー受賞者たちがそれぞれの才能と実力を発揮した本作。外交政策の裏でうごめく陰謀が深い余韻を残すサスペンスです。
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本物の炎を使った迫力映像が感動を呼ぶ!
先日起こった痛ましいJR福知山線の事故のニュースを見るたびに、消防士の方々の懸命な救助活動に胸を熱くしていました。アメリカでも、9・11の同時多発テロ以来、犠牲になった消防士の方や、レスキュー隊の必死の活動に敬意と称賛が高まっています。そんな思いをスクリーンに焼き付けた秀作です。
穀物倉庫の火災現場に駆けつけたボルティモア消防署のベテラン消防士ジャック。ラダー隊(ハシゴ車隊)に所属する彼は、12階に取り残された男性を窓からつるしたロープで脱出させようと試みます。倉庫内の階段はすでに崩壊。今まさに大爆発が起ころうとしている中、彼は高層階から降りる恐怖に尻込みする男性に、「オレから目を離すな。オレを信じて降りろ!」と叫んでいました。その時、突然大爆音とともに、ジャックの身体は床の穴から数階下のフロアに落ちてしまったのです。自力での脱出はもはや不可能。生死をさまよいながら仲間の救援を待ち続けるしかありません。その時、ジャックの脳裏をよぎったのは、熱い志を抱いてこの仕事に就いた新人の日々、愛する妻との出会い、数々の救助活動、仲間たちの友情…懐かしい日々の1コマ1コマでした。
ジャックの人物像を掘り下げ、力演したのは、「グラディエーター」のホアキン・フェニックス。元々演技力のある彼ですが、今回消防士を演じるに当たって、メンタルな部分や過酷な状況を表現できるよう、ボルティモア消防アカデミーで半年間の訓練を重ね、さらにラダー隊のレスキュー活動に1ヶ月間従事しました。
ジャックの上司で消防署長役にはジョン・トラボルタ。ラダー隊のチーフには、「ターミネーター2」で水のサイボーグを演じたロバート・パトリックも顔を見せています。
また、映画のもう一つの主役の炎はデジタルに一切頼らず、本当の火を使用。燃えさかる建物も本物です。炎より煙が行動を妨げる撮影になるため、出演者は全員“ファイア・キャンプ”と呼ばれる特訓に参加して、1000度にも達する炎の熱さや煙で逃げ道が迷路状態になる恐怖を体験したそうです。
80年代の懐かしいハリウッド映画の趣もある本作、後半は涙で画面が霞んでいました。
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