「バレエ・カンパニー」はバレエのライブが堪能できるアルトマン最新作
バレエダンサーは大変な職業です。見かけの華やかさとは大きく違い、ストイックなまでにバレエを中心に生活が回ります。
毎日地道なレッスンを重ねないと、技術が落ちるばかりか、身体がなまってケガもしやすくなる。舞台に立つ過度の緊張感やダンサー同士の競争でストレスはたまりっぱなし。そのうえ、ごく一部の人以外は生活も苦しく、アルバイトをしている人も少なくないそうです。
そんなダンサーたちの日常を、バレエ団という枠組みの中で映し出したのがこの作品。最近なぜか、「ベジャール、バレエ、リュミエール」「エトワール」「センター・ステージ」など“バレエもの”のドキュメンタリーやドラマが多い映画界ですが、本作はフィクションとドキュメンタリーの中間といったところ。群像劇の巨匠ロバート・アルトマンの最新作です。
「ナッシュビル」や「ザ・プレイヤー」、「プレタポルテ」など、
多くの人たちを細かく配して人間心理を見事に表してきたアルトマン監督が、今回も「さすが!」とうならせてくれます。
でも今までと何かが違うのです。多分、それはバレエのステージをタップリ見せて、人間模様と共にそのライブ感をこの映画の中心に置いたからでしょう。
77歳にして、初めてバレエ界を映画の題材に取り上げ、さらに新境地を開いたアルトマンのパワーには敬服。
新境地と言えば、彼は今回、HDビデオ撮影にチャレンジして、ダンスシーンを広範囲から撮影することにも成功しています。そのダンスシーンは素晴らしく、演出といい、振り付けといい、ダンス本体といい、ダンス好きの私を充分満足させてくれました。
映画化を提案したネーヴ・キャンベルのバレエも見逃せません。

